誰かのクラクション
「誰かのクラクション」という尾崎豊による初の詩集ともいうべき、クリップ集が出版された。
この本を出版するにあたって、尾崎と関係を築いた見城氏のことは以前触れたのでここでは割愛させていただく。
見城氏はこの後にも活字という出版業において尾崎と仕事することになるがそれは少し後の話である。
この本の出版にかけた見城氏の情熱と思いは尾崎の死後に見城氏が述べたことがあるので以下に書いてみたい。
「自慢じゃないけど、こんなかっこいい本はないっていう本を出したのよ」
と言うのは左開きの本であったり、横書きの物語を散りばめ、大きくデザインされたアルファベットや後半によく載っている田島氏が撮影した尾崎のリアルタイムを伝える写真の数々を指していることであろう。
この「誰かのクラクション」は30万部ほどのベストセラーとなった。
以前にも書いたがこの本に書かれていることは、ラジオ番組「誰かのクラクション」にて朗読していた内容をそのまま載せることになったが、書き直す予定ではいたものの、書き直ことを断念して、以前に書いた原稿のものを載せて出版された。
しかし十代における自著出版というのは内容を問わず、大きなファンへのメッセージになったのではないかと筆者は思う。
メディアや雑誌に書かれて伝えられるイメージよりも本人から伝えられるメッセージとしてこの方法を続けていくとを尾崎は後年行う。
しかし自分を音楽という世界で伝える人間が他社の質問を介して伝えることよりも、大きくまたファンに与えるインパクトとメッセージ性もより強いものになるからではないかと考える。