matagorou’s blog 尾崎豊 自由に生きられるかそして感動を得られるか

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釧路市民文化会館

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1985年11月27日 釧路市民文化会館

釧路に着くと尾崎は元気に会館をとびまわっていた。 この日は十代としての最後のステージである。
明後日29日20歳の誕生日である室蘭公演では20歳での最初の公演となる。
リハーサルが始まると客席を見渡す尾崎の姿がいつもようにある。

ギターの音をチェックすると、PAのチェックを音響室で一緒に行うとライブの進行通りにリハーサルを終える。

リハーサルを終えるとステージを飛び降りて客席の通路を歩いたり、メンバーやスタッフたちと遊んでいた尾崎の姿があった。
会場の外には列が作られて、観客はチケットの半券をしまうとパンフレットを抱えている人々がさきほどまで尾崎が遊んでいた客席に座り始めたのは午後6時をまわった頃であった。

客の入りは5割といったところで、昨日の帯広と同じく1500人のキャパシティに800人の入りであった。

15の夜のMCで尾崎は言う。

「最近僕の仲間の1人が死んでしまって、自分の弱さに負けて、そいつは俺なんかよりもずっと人あたりがイイやつで仲間も多かった。」

「それなのに毎晩いっしょにいた俺達ですら、そいつの心の叫びを聞いてあげることができなかった。」

「少なくとも、みんな何かを守るために自分の心のなかの何かといつも闘っているんだと思う。

「最近、こんなことを考えていると。自分以外のすべての出来事が自分を写す鏡のように思えてきた。

「それが自分にはね返ってきた時、果たして本当に自分は人を愛しているだろうかって、自分がとても嫌な人間に見えて仕方がなかった」

「人を愛するために自分は命をかけて人と接していかなければいけないんじゃないかって」

「少なくとも自分に何か与えてくれる人や、自分に触れ合う人に対して、自分を愛するのを同じように人を愛していかなければいかねいんじゃないかって思ってる。」

「だから少なくとも、そんな人のためには命を張っていきたいと思ってる。」

「これは、俺にとってはもう大げさなことでもないんだ」

「失うものの多さに自分が負けてしまうかもしれない、だけど人を愛するほうがもっと大切なことなんじゃないかって思ってる」

「今夜ここまで集まってくれてどうもありがとう」

LTA LAST TEENAGE APPEARANCE と銘打たれたツアーはこの夜で終ったと言ってもいいであろう。

ライブ後に行われた打ち上げの席であるスタッフはこう言った。

「今日、十代最後のコンサートに乾杯!」

という言葉が出て尾崎は初めて

「あ、そうか最後だったんだあ」

と気づいていた。