matagorou’s blog 尾崎豊 自由に生きられるかそして感動を得られるか

Yahoo!ブログからお引越し完了です。matagorou もしくは17isamuです。よろしくお願いします。

福岡国際センター

イメージ 1

1986年 1月1日 福岡国際センター

午前中から会場に入っていた尾崎はリハーサルを始める。
開場時間は元旦ということもあり、早めの午後3時30分からであり、開演時間は午後4時30分であった。
リハーサルを終えると楽屋で煙草を吹かしながらメンバーたちと談笑している姿もある。
スタッフ達は大忙しで入場規制や開場ゲートの確認と仕事は山積みであった。

それも元旦にツアー最終日というスケジュールにスタッフ達も少しキレていたのかもしれない。
開演間近の4時半に近づくそれぞれメンバーや尾崎に時間の通達がされていく。

髪型をセットすると、暗くなった裏口をライトで照らすソラチに先導されながら尾崎はやってきた。
SEのテープが流れている間にハート・オブ・クラクションのメンバーたちはステージへと姿を現すがその姿は客席からもよく見えたようで拍手で迎えられるが、それと変わらないような形で尾崎はステージに現れると同時にSEのテープは切れる。ピアノに座って演奏を始める。

1曲目「卒業」
歌いぶりは穏やかで以前代々木で見せた子供のようなイタズラ顔もなければ、落ち着いた調子で淡々と歌い上げていく。

曲が終るとギターを肩にかけて、中央のスタンドマイクへと歩いていくのと同時にピアノが奏でられていく。

2曲目「彼」
少なくとも卒業で持ったままのムードでライブを進めていくかと思えば、曲が終わるのと同時に
1!2!3!4!!、とカウントをいれる。

3曲目「Driving All Ngiht」では序盤を盛り上げる定番のロックナンバーとして観客をのせていく続く
4曲目の「BOW!」でも3曲目から続いているロックナンバーの熱を利用して尾崎は叫んでいく。

肩で息をしていたが、ローディーが持ってきた12弦ギターを肩にかけるとピアノから始まる。
5曲目「ダンスホール」ではピアノとシンセサイザーそして、フルートが重なり合い尾崎もボーカルに力が入り、力強く歌っていく。

6曲目の「Teenage Blue」では疲れか感情が入りすぎてしまったのか、途中で歌の入りを間違えるという尾崎にしては珍しいミスをしてしまったが、その時も表情ひとつ変えずに歌に集中して歌い上げる尾崎の姿があり、ブルージーなナンバーを歌い上げると、また12弦ギターを肩にさげてスタンドマイクの前へと戻っていく。

心臓の鼓動のようなドラムが刻まれる中、シンセサイザーとグランドピアノ、フルートの前奏が始まる中
7曲目「米軍キャンプ」が始まる。
祈りかけるような尾崎のボーカルに会場の観客達はのまれていく、曲終盤のシャウト一つ、一つに尾崎は祈りとこの曲に出てくる女性のことを思い出し叫んでいるようにも見える。

曲の終わりはグランドピアノによって終るがその際の拍手喝采のあと尾崎はこの日ようやく喋り出す。

「あけましておめでとう。」
と照れくさそうに尾崎は言うと続けて喋り出す。

「新年早々、尾崎豊を見に来てくれてどうもありがとう。」

「去年はコンサートをやったり、LPを作ったり・・・している中で自分の姿を見つめなおし、また自分に対して否定的な存在について悩んでいるときに、友達に「あきらめるなよ!」と言われて、勇気が沸いた」

1!2!3!!

そうてカウントをいれて8曲目に演奏された「失くした1/2」これまでのツアーでもほとんど演奏されてこなかった、尾崎にとっての新曲でもあったが、尾崎はリズムをとりながら確信に満ちた張りのある声で歌う。

`やすらかな、君の愛に真実はやがて訪れる、信じてごらん笑顔からすべてが始まるから‘
シャウトするとスタジオテイクのような美しい声で演奏を終えると、尾崎は短く呟く。

「今日俺は心の旅に出たんだ!」

9曲目「坂の下に見えたあの街に」を歌い始め、12弦ギターの弦が切れても歌い続けていくと、最後にサックスの阿部氏との絡みを見せつけて曲は終る。

それと同時に次の曲の伴奏がはいると尾崎は喋り出す。

「俺も20歳になったけど、友達もようやく20歳になったんだ。」

「久しぶりにあって、最近はどうなんだって?聞いたら、子供が生まれたことによってまるで自分の人生の半分が子供に乗り移ったように感じたって」

「そんな話をしながら俺もロックンロールをしていきたいだなんて思った。」

10曲目「Scrap Alley」
を歌い出すと尾崎はギターを弾いていたが、いざローディーに手渡すと尾崎は途中でステージから客席へと飛び降りて、前列の観客は大パニックとなるが、そこにソラチ、タカオなどといったスタッフが立ち回って事故のないようにパニックを防いだが、危ない場面もあった。

曲が終ると水分を補給して、またステージを続ける。
ドラムがリズムを刻む中、尾崎は語り出す。


「みんな、俺がまだ高校生だった頃の話を聞いてくれるかい、俺が高校で這いつくばった話を聞いてくれるかい?」

「その日の俺は長い~長い~無期停がやっと解けた日だ、俺はみんなの冷たい視線を浴びながら学校へ行ってそして何の得るものもない6時間の授業を終えると」

「尾崎くんちょっといらっしゃい」

「そう言われて、俺は職員室へと行ったんだ。そこで俺は職員室へ向うと、ロックンロールのことを思い出しながら、ロックンロールを口ずさんでいた」
「例えばB・スプリングスティーンや、J・ブラウンや佐野元春浜田省吾の曲なんかを口ずさんでいた。」

「だけど先生たちはそんな俺のことをみんな白い目で見やがった。」

「それでも俺は負けなかった!そんな目を気にしないで、俺はロックンロールを口ずさんでいた。」

「するとさっきよりももっと大勢の先生が俺のことを白い目で見ていやがったそれでも俺は負けなかった!!」

「ある1人の先生が俺のほうに近づいてきてこう言ったんだ」

「なぁ尾崎、いったいお前は何になりたいんだ?」

「‘ロックンローラーです‘」

「するともう1人の先生が横から顔を出してこう言ったんだ」

「なんでそんなものになりたいんだ?」

「だから俺は言ってやったぜ」

‘俺は人を愛す、自由を求めていく中で自分をコントロールするしかないんだ、それしかできないんだ
それがロックンロールだ!

みんなロックンロールは好きかい?
みんな一緒に歌ってくれるかい?

1!!
1!!!!!

1!!!!!!!!

2!!!!!!!!

3!!!!!!!!!!!!!!

1!、2!、3!、4!!!!

11曲目「ハイスクールRock`n`Roll」

ロックンロール踊ろうよ、ロックンロール腐ら~ずに、ロックンロール手を伸ばせば自由はあと少しさ

ピアノ!

と言うと、ハープを取り出してステージの右側へとメンバーたちが一緒に行進を始める。


ロックンロール踊ろうよ、ロックンロール腐ら~ずに、ロックンロール手を伸ばせば自由はあと少しさ 


ロックンロール踊ろうよ、ロックンロール腐ら~ずに、ロックンロール手を伸ばせば自由はあと少しさ


ロックンロール踊ろうよ、ロックンロール腐ら~ずに、ロックンロール手を伸ばせば自由はあと少しさ

メンバーと尾崎は歌い始めると、演奏が弱まり、客席にマイクを向ける。


と右翼の盛り上がりに対して左翼が盛り上がりに欠ける。

「そーするとこっちが小さくなっちゃうんだよな」
と言って左翼の観客を煽ると。


「やればできるじゃないか」

と尾崎は褒める。

「なあみんな、やっぱり今日の客席は元気がないとは思わないか? やめよーぜ」

と尾崎は袖に引っ込むフリをするが、これまでのコンサートではこんなことはなかった。
あからさまな盛り上げ方であっても、こんなことは初めてである。

終盤にサックスを呼ぶと、サックス奏者阿部氏との絡みも健在である。
曲が終るとベースがビートを刻む。

「みんな街を歩いていると、俺はスクランブリング交差点で歌いたくなっちまうんだ、みんなついてくるかい? カモン!」

12曲目「Scramblig Rock`n`Roll」

曲中盤でステージフロントにメンバーと尾崎が一斉に並ぶとその一体感には目を見張るものがある。
途中尾崎は照明のイントレに登ると一番高いところから客席を見て、コンサートを盛り上げようとする。

曲の終盤、勢い余って、エンディングでは滑り転ぶこともあった。

13曲目「十七歳の地図」「愛の消えた街」「路上のルール」と淡々と歌いながらも休むことなく間髪いれずに繰り出されるロックナンバーに観客達は残っていた体力を奪われていく。

尾崎もこの3曲を歌い終えると、弾かれるピアノを頼りに中央マイクで喋り出す。

「今夜はこんなにたくさん集まってくれて、本当にどうもありがとう。

去年のツアーは今日ので、毎回、毎回なにかが楽しかった、みんなに会いたいって勿論、初めての地じゃないけど何回かコンサートをでやってきたけど。
前より そんなに簡単にわかりあうことはできないし、人間は理解できないだろうしそれはそうと

俺が今回ツアーを始める前に、俺にこんなことがあった。
毎晩のように一緒に遊んでいた俺の仲間のうちの1人がドラッグで鼻から脳みそを垂れ流して、死んでしまった。
俺はそいつの心の叫びを周りにいた俺たちの誰1人聞いてやることができなかったことが不様だと思った。

そいつは俺の1個したの後輩で、俺の顔を見ては‘尾崎さん今度コンサート必ず行きますから、そうやって笑って俺を見ていた
馴れ合いや仲間とつるんで大勢でなにかをつまらないことにでもそんなことが俺にはつまらないことにはならなかったけどそのなかで俺は少しだけ仲間というものを意識して。
それから俺達は、そいつを弔うように毎晩のように喧嘩に明け暮れた。

誰が強いというわけでもないけれど、なんでこんなことを続けるんだろうと考えた。
結局自分の弱さと戦っているのに、過ぎないそう思った。さみしがり屋の俺たちはつまらない退屈な時間をしのいでまた自分の弱さを隠していく。

コンサートにきて、こうしてみんなの顔を見ていると、俺が遊んでいた友達にそっくりな感じがする。
それでも仲間は時には俺を頼み、俺も仲間を頼み、命を張るなんてことも平気で口にしてた。

前にコンサートで俺は・・・俺は命を張る、そう言ったんだ、そしたら俺の仲間の1人が大声で笑いたてて、そのことをそいつは大声で笑った。

最初は腹が立ったけど、次に俺は自分に足りないことやそいつのその言葉のおかげで、俺はまた新しいものを見つけられそうな気がして。

俺には判断はできない、自分に嘘はつきたくないし、せめてここにいる人を愛するということに感じていたい。

そう語り終えると、手をあげてメンバーに合図を出す。
16曲目「15の夜」
圧倒的なボーカルを見せ付けて尾崎は叫ぶ。
MCにもそしてこの曲にも友人たちとの思いが詰まっているという、共通点を持ちながら尾崎は歌い終え

「どうもありがとう」

そう短く言うと尾崎は先にステージの袖へとはけて、その後を追うようにメンバーたちは去っていくが
それと同時に繰り出される、7000人の尾崎コールは地響きを増してメンバールームにいる尾崎たちへと伝わっていった。