ステージ衣装というものは１回のツアーで３着ほど用意するのが尾崎のスタイルであったようで、特にロングツアーとなった前回の回帰線ツアーではスタイルを何度かもって、ステージに挑みアンコールにはタンクトップかシャツで出てくるというのが、基本となり以降もそのスタイルを踏襲するかのように、尾崎のライブというのは途中から上着を脱ぎ捨てたりする姿がよく見かけられるようになったが、このＬＴＡツアーでの衣装は多くにこの皮ジャケットを着ていた。
鴇田氏の話によると、このステージ衣装の皮ジャンは原宿で購入したようであるが、ぶら下がっている誰も買わなさそうな皮ジャン値札は「８０００円」であったようであるが、尾崎はそれを３着買って、１着を鴇田氏は尾崎から貰ったようであるが、そんな皮ジャンも尾崎が着ればかっこよく見えたと回想している。
買い物を終えて表参道や竹下通りを歩きながら尾崎は呟いた
「なんで、みんな、僕に気付いてくれないんだろー？」
と尾崎にもそんな思いがあり、１９歳の少年であり、青年であったに過ぎないと思わせるような言葉ではないかと思う。神格化されようと、言葉を吐こうと特別視されても人間であると。
余談ながらこのジャケットはツアー終了後にも飛び入りで乱入したハンドドッグの武道館公演でも着ており、彼の気に入りであったかもしれない。
