大長編「会津士魂」などの歴史小説で知られる作家、早乙女貢(さおとめ・みつぐ、本名・鐘ケ江秀吉=かねがえ・ひでよし)さんが23日、胃がんのため亡くなった。82歳。葬儀は近親者のみで行う。「おわかれの会」は09年2月4日午後6時、東京都千代田区丸の内3の2の1の東京会館。
中国ハルビン生まれ。山本周五郎に師事し同人誌「小説会議」に連載した「僑人(きょうじん)の檻(おり)」で1969年、直木賞を受賞。曽祖父が会津藩士で、71年から「歴史読本」に連載を始めた「会津士魂」(正続21巻、01年完結)では維新史を敗者の立場から描きライフワークとなった。この作品で89年に吉川英治文学賞を受賞。他に「沖田総司」「北条早雲」など。