1985年 11月26日 帯広市民会館
北海道に尾崎は来ていた。
帯広という地域は東北海道西端の十勝平野のほぼ中央に位置する。
この帯広市民会館のキャパシティは1500人であったが、入りの観客は800人というところいいとこで客入りは6割というところであろうか。
しかしスタッフ達にしてみれば
「いや、よく集まってくれたと思う、だって人口密度からいったら大入りと同じですよ」
とあっさり言いのける。
尾崎はそんなことを気にせずに代々木と同じような活気で忙しそうに走りまわり、シャウトする。
小さな会館であっても、同じような密度の輝きをもってステージに立っていた。