1984年８月１０日
尾崎はこの日から松葉杖の使用を許され、少なくともこれまでの10日間の生活はすべて車椅子生活であり、１８歳の男が突然骨折という形で歩行を一時的にでもできなくってしまえば、耐え難い不便さが出てくるであろう、が松葉杖を使うことにより車椅子での生活よりは行動の範囲が広がったであろう。
4日後の８月１４日尾崎は大部屋へと移る。
この頃より各雑誌のライターたちが先日の野音でのアクシデントを聞きつけ尾崎に取材が申し込まれている、尾崎はその取材に面会時間をできるだけ用いて応じた。
余談ながら自衛隊の病院は入院すると白衣が全員に与えられ、胸にはしっかりと名札がつけられる。
そして絶対安静の重病人以外は当然ながら朝６時の起床から夜９時の消灯まで安静、面会、食事、運動などの時間割りが規則正しく規制されている。
こうした生活に少し尾崎は不自由になり、また慣れなかったことであろう。
