matagorou’s blog 尾崎豊 自由に生きられるかそして感動を得られるか

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間に合うのか

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時間を過ぎても帰ってこない、電話にも出ないまま、一晩明けてしまっった。
スタッフたちも落ち込んで、ブラブラしていた頃、スタジオの時計は朝の8時になろうとしていた。

世間の普通の労働者や学生は会社へ行くなり、学校へいくなりの変わらない生活の何日目かである時であろうレコードを作るためのこの2ヶ月は昼夜が逆転して今日が何日かさえも定かではなくなった空間の毎日を作業で追われていた。

あるやつは紫煙をくらまして、ブラブラしているやつもいる、そんな状況の中尾崎はスタジオに戻ってきた。
時計の針は8時になっていた。

尾崎は待っていたみんなに、折り詰めの寿司とワインを差し出して、脇に挟んでいたノートを須藤氏に差し出して、出来上がったばかりの詞のページを須藤氏はつぶさに読み終えるのを見計らうと尾崎は言う。

「できました」

「じゃ、歌おう」

と言って、すぐに録音されたテイクが採用され、このレコーディングの最終段階でもある、ミックスダウンに入り、作業の終ったテープはすぐさま、静岡にある工場へと運ばれ、急ピッチでプレスされ、発売日に間に合う作業がまた続けられている。

須藤氏はすぐさま、スタジオに呼んだタクシーで家に帰った。

この「十代で3枚」という目標を掲げて作られた最後の1枚「壊れた扉から」はようやく完成した。

尾崎は休む間もなく、ツアーへと出て行く。
ファンたちにはリアルタイムの自分を見せることになる。

新しい一歩である。