レコーディング時の歌入れの際に、
「やっぱり哀しいね」
という話を尾崎と須藤氏はしていた。
「ポップだねえ」
「うん、でも何か足りない」
と呟く尾崎であった。
最終的にこの曲のミックスダウンをやる前にアレンジャーの町支氏を呼んでコーラスを挿入した。
尾崎以外の声をいれることによって、ちょっとでもいいから、華やかなものにしたいと思ってやったと須藤氏は語るが、それが結果的には裏目に出て、すごく哀しいものになってしまったと回想する。
「孤独」という尾崎が追い求めて、考えていたテーマがあり、それは幼少期の経験からきているものであると思うが、何かをこの時期に「失くした」と筆者は考えているが、この時の尾崎は曲の
「失くした1/2」と言っているが1/2あったものがまるで病魔に蝕まれていくかのように、この1/2というものをこれからの日々で時間をかけて、本当に失くしていってしまったのではないかと思う。