中国地方でのツアーが終ると少しのインターバルがあった。
尾崎は北海道へ行く。
このツアーでは北海道を3箇所まわる。
しかしその北海道公演3箇所のチケットの売れ行きはいずれもかんばしくなかった。
大阪球場、代々木体育館をクリアしてきた尾崎にとっても空席のあるコンサートというものは珍しくなかった。
このLTAツアーも以前のTOGツアーと比較すれば大規模なコンサートツアーではなくどちらか言えば短期間でリアルタイムの尾崎を伝えるツアーであったとは思うが、その規模としては過密スケジュールの中で集中して一定の地域を移動しながら行う、コンサートツアーの典型の姿ではあるが本人である尾崎には負担が大きなものであったろうし、また大きな会場をクリアしてきたにも関わらず、地方での自分の存在というものを再度知るきっかけにもなったことであろう。
チケットの売れ行きは半分行けばよいと言われるような地域でもあるが、当の本人である尾崎にはそのことを気にせずにツアーを行っている。
それはルイードの頃と変わらない気分と気持ちは「武道館」を意識しているということの現われなのであろう。
尾崎はこの次の地域へ十代から二十代へと変わっていく。