1987年 1月29日 15時
1年と数ヵ月ぶりに尾崎はスタジオに入った。
久しぶりに入ったスタジオを歩きながら
ある機材に目をつける。
「これはなに?」
と尾崎が聞く。
「SPX-90」
「スーパーエフェクター、これ1台で今まで何種も揃えなきゃいけなかったエフェクターの役割を全部やってくれるよ」
とエンジニアは答える。
「へえー、これ買いたいな」
と尾崎は無造作に言う。
ドラムス、ベーシスト、ピアノとプレイヤーが続々と機材のチェックを行ってる。
久しぶりのスタジオで尾崎のレコーディングが始まろうとしていた。