1987年 7月1日 東京駅
7月1日の東京駅
早朝にスタッフ達は、ツアーバスで茨城へ
尾崎を含むツアーメンバーは昼前から集まり始めると最後に来たのはやはり尾崎だった。
12時50分、ツアーバスは青山通りを抜けて高速道路の入り口を目指す。
ツアーメンバーたちとの移動は尾崎も久しぶりであった。
バスの中では少し前に味わったスタジオでのピリピリした雰囲気よりも陽気なメンバー達の笑い声が飛び交う。
尾崎もその陽気な中にいたのであろう。
初日のライブを行う茨城県民文化センターまでの移動行程は2時間あまりであった。
サックスを担当する阿部氏がピッコロを吹く、一番後ろの席で尾崎は足を伸ばして窓を見ている。
外では少し雨が降りだしていた。
尾崎の見ている窓には小雨がちらついて外を見るのには不自由しないがまるで雨に邪魔されるような形でこの日は始まった。
会館に着けば、リハーサルがある、そして本番がある。
そんな単調な毎日と旅がこれから彼に日常になる。
ツアーは7月1日始まった。