1988年 3月28日 東京ドーム
開演前、カウントが始まった。
これまでのライブ本数を数えるカウントであった。
カウントが207に達するとライブは始まり、観客5万人がドッグに熱狂した。
法人として初めてこの東京ドームを貸切したライブとなった。日本人ミュージシャンとして初めて東京ドームでコンサートをやったのはハウンドドッグということになる。
むしろ、今後この場所がキャパシティの関係からか今日では武道館と肩を並べるほどミュージシャンが目指すメッカになろうとは彼らも考えていなかったかもしれない。
207本のライブは彼らの一種の到達点であったろう。
85年にメンバー交代が行われて解散手前であった彼らがこうして起死回生からコンサートの動員数ではトップクラスのバンドまでなったのである。
余談ながら彼らはこのライブの3ヵ月後に再びツアーを始める。
おそらくこの時から既にツアーの決定はメンバーも知っていたのであろうが、レコードが売れればコンサートの本数は減り、テレビ出演などを兼ねながらもレコードのセールスを伸ばすことが目標になるはずであるがドッグは「ff」が売れてからのツアーは本数が増すばかりであった。
1人くらい、過労で倒れ最終日は遺影だけでの出演というものがなかったのが不思議なくらいであると思うくらいである。