NO1
回帰線の発売から1週間後須藤氏のもとにソニーから一本の電話がはいった
「NYの尾崎に連絡をいれてやりたいくらいだ! NO1だ」
という先週発売された尾崎のアルバム
「回帰線」が次週のチャートで1位になるという連絡であった。
事実アルバムは前作の「十七歳の地図」より売り上げを伸ばしておりこの電話がかかってきた目下もっと飛ぶように売れていた。
須藤氏は少し休憩をとってからアルバムに収録された各曲のアレンジャーとして前作から引き続いて起用されていた町支寛二氏と西本明氏に非常識な時間帯であったがこのアルバムがNO1になったことを連絡した。
2人は浜田省吾と佐野元春の次期コンサートツアーのリハーサル中であったが話した際には興奮し少し考えた後に意見を述べ喜びあったという。
この話の少し後に尾崎は帰国した。
須藤氏は帰国してからの時差ボケが直るのに最低3日はかかると思ってその後に連絡をいれたが4月1日付けのチャートだから冗談じゃないのか?
言い合ったらしい
また須藤氏はアルバムが1位になったらお酒も煙草も吸っていいんじゃないかと尾崎に言っていたようであるがこれも冗談のうちのひとつであったのだろう。
電話を終えた際に受話器にはびっしょりと汗が2人にはついていたことであろうし両名ともその新鮮さと高揚があったにちがいない。
まわりにまわって回帰してきたものは一つとなった。