「ずーっと友達がメンバーになり、幸いにも活動を続けてこられたバンドに、オーディションでメンバーを補充。ケタがいなくなり、江口がいなくなってしまう。
決定的瞬間、そして今日のオーディション。この中に明日からHOKとして、仲間に加わる人間がいる。
決定的瞬間、そして今日のオーディション。この中に明日からHOKとして、仲間に加わる人間がいる。
いつものように入ったスタジオなのに、みんなの表情は冴えない。私の隣でいつものようにセッティングしている江口がいなくなる。どんなに仲が良くても、進む道はそれぞれ。重たい気持ちを引きずって、オーディション開始。」
「今日の課題曲のカセット・テープと譜面をお渡しします。今から30分後にひとりずつ、スタジオに入って演奏して貰います。よろしく。」
そう候補者たちに言うと、バンドの面子は横一列に並んでいる、そこに1人、候補のギタリストがはいってくる。
11人目になると全員は怒り出し、尾崎はマイクスタンドをとばし、ベーシストの田口氏は椅子の上に乗り、暴れる。
そんな中尾崎は以前と同じように鴇田氏に言う
「ねえ鴇田さん、ギター1人でも大丈夫だよね?、なんとかなるよね? ね?」
そう言われている、鴇田氏を少し笑う、ドラマー吉浦氏とベーシスト田口氏の姿もあったという。
「鴇田くんて、ギター、うまかったんだねー」
「そうそう」
「そんなにヘタだと思ってたんかい!!プンプン!!そりゃー、江口と比べたらさー・・・・・。まっ、いいか。しゃーねーなー。根性決めて1人でやるか・・ 不安だなー」
こう少し明るくも筆者は描写しているように、多少のユーモアもあったようであるが、何度も書いている通り、少しの時間のなか、バンドは分裂しようとしていた。
こう思っている最中、オーディションは次にキーボード奏者に変わってゆくが、それはまた次の項で書くとしよう。