マネージャーの空田氏は中間報告のような形で事務所のオフィスで社長の福田氏と話をしていた。
レコーディングが始まり、すでに10日が経った頃、最初に録音した曲はすでに完成したような状態にあったので、少し手直しや相談をして、アレンジを施し、バンドのハート・オブ・クラクションと共にレコーディングを行ってきた。
しかしそれと同時進行して行われていた尾崎の他の新曲についての話であるが、まだ新曲が完成しておらず、レコーディングの作業が滞っているということだ。
福田氏は決断を迫られていた、この3rdアルバムをテーマにした次期コンサートツアーのブッキングと準備は完了しつつあり、アートディレクター田島氏に依頼したコンサートパンフレットも見本が届き、順次増刷していく過程にはいるところであった。
各地方のイベンターに発売するチケットの枚数、連絡センターの設置、すべては順調に進み、余裕をもってツアーを開始できると思っていたが肝心の尾崎はそのレコード作りに困っている。
今回は全部ハート・オブ・クラクションで作るというOKサインを出した1人である福田氏は同時に途中で止めさせる権限ももっている。
メンバーも以前とは違い、新しくはいった人材もいて次期ツアーのリハーサルも始めなければならず、尾崎のことで多方面に問題を抱えているところである。
決心をしたのか福田氏は空田氏を伴って尾崎のいるレコーディングスタジオへと向うことにした。
残念な通知をしに。