1985年 12月18日 新庄市民会館
移動をすばやく行って、尾崎は新庄にきていた。
昨年に始まったばかりのファーストツアーで訪れて以来の地でもあった。
雪が積もる会館の周りを数百人のファンが寒い中列を作っていた。
疲れながらもリハーサルを終えた尾崎は夕方頃まで楽屋でひっそりと時計を見ながら過ごしている。
本番が近づくと、髪をセットしてジャケットを羽織る。
鏡を見ながらマネージャーのソラチと変なところはないかとチェックすると、いつものようにSEが切れて沸き返る会場へと尾崎は姿を現す。
3時間近いコンサートも終盤になれば、Tシャツ一丁でシャウトする。
東北でのライブは残すところあと1日になったが、ライブが終ると尾崎はすぐに移動を始める。
時間に余裕がないものいつものことであった。