開演間近の会場は沸き返る。
ステージ裏のテントに尾崎が姿を現したのはPM17時45分
ツアーの責任者福田氏を伴って、ファンのスタンド席からは尾崎の姿が確認できる。
そんな群集たちへ投げキッスをして返すと先ほどまでリラックスのために吸っていた煙草をグランドに叩きつけて、メンバーの待つテントに声をかける。
思えばこの日が走り抜けてきたルイードから数えれば最も大きな山場である。
もしくは尾崎豊という男のアーティスト人生の中では天王山であったろう。
メンバーといつものように挨拶を交わした、尾崎は先にステージへと出て行くメンバーを見送る。
1曲目「米軍キャンプ」のドラム音が今胃がキリキリし出した尾崎の音か心臓音のようにも思える。
マネージャーのソラチが尾崎を階段へと誘導すると、先ほどまでかけていたサングラスをテーブルにほっぽり出して、本番のステージへと近づき、歩だしていく。
この日尾崎のために集まった人々そして2万人の群衆、それぞれの大阪球場開幕。
