1986年 7月
最初に尾崎がNYを訪れたときは冬が終わりに近づいた2月の終わり頃であった。
再びNYに舞い戻ったのは6月夏の始まりを感じさせる時期で、それから1ヶ月本格的な夏の暑さを尾崎は感じてもいた。
エアコンの効きも悪いホテルですることといえば、ギターを弾いて曲をつくるか詩の散文を大学ノートに書くことであった。
食事は自分で作ることは稀でホテルの近場にあるデリカテッセンで買うことが多かったという。
デリカテッセンとはサンドイッチや持ち帰り用の惣菜を売る飲食店である。
食品はハム、ソーセージ、チーズ、パン、オリーブ、サラダなどが主でほかにもビールや生活雑貨などを扱う店もあるが、日本での惣菜屋などと考えてしまえがいいかもしれない。
余談ながらアメリカ合衆国では、19世紀にヨーロッパからの移民によってニューヨークなどでデリカテッセンが起業された。そのことからもこの国の始まりが欧州からの移民により始まり開拓され多くの人種による文化や意見が反映されて成り立っている国ではないかと思う。