matagorou’s blog 尾崎豊 自由に生きられるかそして感動を得られるか

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頓挫

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1986年 11月下旬

須藤氏と以前話していたレコーディングも行われることはなく尾崎の毎日は過ぎていった。

当然ながらレコーディングは録音する曲の構想やモデルが揃っていないと始めるべきではない。

レコーディングが始まってから曲が完成しアレンジをしてライブ用などと振り分ける激務は尾崎以外の負担でもあってそのことは昨年の9月から行われた「壊れた扉から」の制作で思い知ったことでもある。

アルバムを作ってもその次にはツアーがあるという大方の予想を考えると少し憂鬱になっていた。

今にも叫びをあげたいような悲痛さもありながら散文を書いて、ギターを弾いて曲を作り尾崎は仕事に励んできた。

名前はなく、メロディーだけは湧いてきて、それをギターで弾いてメロディーを作る、ラララと歌ってみる。

しかし伝えたい詞は出てこずに苦しんでいた。
絞り出すように出てくる言葉には以前に持っていた明るさは少しないこの街NYと関わったことによって生まれた寂しさと孤独を象徴するような詞が多かった。

それがこの時の尾崎のありのままの姿であったのかもしれない。