1986年 7月
冷蔵庫がないので生温かいコーラを飲む。
夏を過ごすにはあまり環境が整っていない部屋で尾崎は生活をおくっていた。
買い物や食事をするために当然部屋の外へ出るわけであるがダウンタウンは夜の7時以降に外に出るのは危険が伴っていたと尾崎は話している。
ナイフや拳銃をもったヤクの売人と同性愛者が街にはたくさんいた。
この人間たちが活発に動くのは特に夜であったという。
尾崎はこの両者に声をかけられても相手にはしなかったが、相手が凶器を持っていることも少なくはなかった。
いつしか自分の身を守るためにナイフを持ち歩くようになったという。
ナイフを素早く出す練習を部屋でしていると指を怪我したりしたと後に述べているが安全が保証されない街で尾崎は生きていた。