1986年 12月
チャップリンはチーノこと尾崎を自宅に招待した。
チャップリンの家はブルックリンの郊外にあり家族は奥さんと3歳の子供がいたと尾崎は回想している。
尾崎はこの3歳の子供の相手をよくしながら1週間ほどこの家にいた。
食事はレトルトのものが多かったという。
この時の生活を回想して尾崎は満たされていたというが異国の地で孤独であった彼に家族というものと関わることで少しの孤独さや寂しさを紛らすことができていたのかもしれない。
しかしチャップリンにもある問題があり尾崎はそれに薄々気づいていたというが
チャップリンはヤクの売人であった。
新聞沙汰になれば大きく飾るだろうくらいに彼は大きな麻薬を売りさばく人間であった。
2週間かしてか、12月になった始めの頃ある日彼の家で起きてみると尾崎以外の3人は家にいなかった。
彼は仕事で失敗したようで家族を連れて逃げてしまった。
おまけに尾崎が持っていた金品も盗られてしまうものであった。
すっからかんになった尾崎はブルックリンの外れで誰もいない家でまた孤独になり裏切りにあったことになる。
これがNY生活の一面であったであろう。