まさにOZAKI STAGE非公式ながら初のライブであったと考えられる.
ルイードまでまだ時間があるが尾崎はこの2月、千葉まできていた。
来月に控えたデビューライブの場数踏みの練習としてアマチュアバンドの前座として尾崎は作られたばかりの母体バンドと共にステージに立った。
そのバンドは後にハート・オブ・クラクションとして活動することになる。
歌った曲は
「傷つけた人々へ」
「はじまりさえ歌えない」
「15の夜」
「愛の消えた街」
「十七歳の地図」
であった。
MCもない、名も名乗らず、客をにらみつけることもなかった。
歌って、演奏を行うだけの簡単なステージ、しかし尾崎にとってはこれが真のライブであり、たとえ客がいなくても彼の気持ちでは武道館で歌っているような情景が目の前に広がっているようで、少なくとも尾崎はこのルイードを行う、デビューライブ以前よりも僅かな目標と希望をもって、自分のこのアーティスト人生を大きく一歩踏み出していったのではないかと思う。