matagorou’s blog 尾崎豊 自由に生きられるかそして感動を得られるか

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立川市民会館

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1985年5月6日 立川市民会館
 
尾崎豊3回目のコンサートツアーTROPIC OF GRADUATIONがこの5月6日に立川市民会館を皮切りに始まった。
この日を境に尾崎は41本のライブステージのスケジュールが組まれておりまさに熱帯区からの卒業と銘打たれたこのツアーには名と共に時期も相応しく始まっている。
 
特にこの立川は前回も書いたが合歓の里でのステージに出演して尾崎に刺激を与えたことは確かで尾崎のリハーサルには熱が入りリハーサルが長引き
 
「尾崎が納得いくまで、しばらくお待ちください」とアナウンスがあった。
 
午後6時半から始まったこの初日のステージ,1曲目は「15の夜」から始まった。その次に[「Driving All Night」
「Bow!」と続いていく。
 
総立ちの観客は波のように揺れ動く、以前のツアーに比べて男の子の客が目立ち、「尾崎!」と叫ぶ野太い声がよく聞こえるツアー初日となった。
 
「どうも・・・ こんばんは」
と挨拶をすると沸き返る観客たち、以前のツアーのような芝居かかった語りかけよりも、少し自然となったような声が印象的だ。
 
4曲目「街の風景」となった、以前のキーボードとエレクトーンによるシンプルな編曲ではなく、サックスが加わったことによる音色豊かな、曲へと変わっている。
 
5曲目「ドーナツショップ」では12弦ギターを持って、メロディーの中で尾崎は語りかける、この曲は以前のツアーではこんなことはなかった、少なくとも場数を踏むことにより、尾崎はこの曲を新しいステップへと変えていったのであろう。
 
6曲目「ダンスホール」では喋るように歌い上げる、サックス奏者阿部剛氏はサックスではなくフルートでこの曲を新しいものへと変えていく、去年の3月から見たツインギターでのこの曲が少し懐かしく思えるようにも思える。
 
一度照明が落ちて真っ暗になると、ピアノのある上段へと尾崎は上がっていく。
ピアノに座ると、照明は1人ピアノに座る尾崎を照らし出す。
 
7曲目「卒業」
暗いステージの中バックはピアノを弾く尾崎のシルエットが映る。
 
続いた8曲目「Teenage Blue」先ほど弾いていたピアノの上に座ったりと尾崎は静かにこの曲を歌い終わっている。
9曲目の「米軍キャンプ」になると尾崎は12弦ギターを用いてシャウトする、この曲は尾崎の地元、練馬での話が元ネタであるが、追々、この項でも触れていくことにする。
 
10曲目「坂の下に見えたあの街へ」では先ほど切れた12弦ギターから6弦ギターへと変えて歌っている、サックスとの絡みはとても楽しそうに、また尾崎を明るく見せることに成功しているのではないだろうか?
 
11曲目「Scrap Alley」そして12曲目「存在」とここからはロックナンバーが続く、尾崎とメンバーはこの小さな会館の舞台に拵えたステージを窮屈そうに活用している。
 
13曲目「ハイスクールRock`n`Roll」ではスプリングスティーンのようにギターを後ろに抱えて弾く尾崎とメンバーの姿を見ることができる。
14曲目「Scrambling Rock`n`Roll」尾崎はイントレに登ったり、客席に飛び込もうと、スタッフを右往左往させる、これれがこのツアー初日だということを考えれば、これからあと30数回全国を廻る日々を考えれば先が思いやられ、頭を抱えるスタッフもいたであろう。
 
ここまでロックナンバーが続き、さすがに尾崎も肩で息をしている、興奮した観客たちも歓声をあげてはいるが。疲れている様子だ、そこで尾崎は上着を脱いでシャツ1枚になる、そのシャツは汗でびしょ濡れだ。
 
「セブン・ティーンズマップ!!」
 
15曲目「十七歳の地図
尾崎はそう叫ぶと観客たちは元気を取り戻した、まさに水を得た魚のように狂喜乱舞する、尾崎はこのときあらゆる代弁者のようになってしまう、またそうファンも尾崎を見ていたであろう。
 
 
最後の1曲は「愛の消えた街」だ
16曲目で尾崎は一度舞台袖へと姿を消した。
 
熱烈な尾崎コールに応え尾崎はシャツ1枚で出てきた、アンコールナンバー「Freeze Moon」最後のロックンロールと尾崎は言いステージは始まる、最後に叫び終えると尾崎は再び袖へと消えていく。
 
最後にもう1曲と尾崎は、12弦ギターを持って現れた「シェリー」を尾崎は歌いだす。
ギターを弾きながら途中から、バンドの伴奏がはいる、以前のツアーとは違う新しいスタイルで尾崎はこのツアーの最後の曲に「シェリー」を選んだのであろうか、観客も共に熱唱し、ステージを尾崎は終えた。
 
最後にファンに投げキスを2回すると、消えていった。
2時間近い、ステージを終えた尾崎は、楽屋で、メンバーと他愛のないジョークを言いながらビールを飲み干し、9時50分、ファンに見送られながら会場を後にした。
 
2時間半を優に超し9時手間に幕を閉じた。
この初日は超満員で終了し新しいツアーということもあり幸先は良し。
 
尾崎曰くのこの初日は
「自分自身を発散するためだけにエネルギーを集中できたような気がした」
と残している。