matagorou’s blog 尾崎豊 自由に生きられるかそして感動を得られるか

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千葉市民会館

 
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1985年5月7日千葉市民会館
 
ツアー2日目、この日の1曲目は「15の夜」から始まった。
このツアーからある曲が増えておりそれは「米軍キャンプ」という曲であるがそのことに関してはまた後に触れたいと思う。
 
尾崎のステージは1曲目から何かを考えさせるようステージが多く、それは演出に含まれていたのだろうがこのステージは少し変わっていた。少なくとも1曲目を「米軍キャンプ」から始めるか「15の夜」で始めるか少なくとも選曲により会場の盛り上がり方やステージ作りというものに尾崎は少し苦心していたのかもしれない。
 
メンバーが先にステージにはいり、客殿がおちる、客席は尾崎を待つのみとなった。
尾崎はフラっと袖から現れた、昨日飲んだビールがまだ残っているのか、少し気だるそうな雰囲気もあるが、拍手とファンの絶叫に包まれた会場は静まり返ること知らない、そこに尾崎はセンターマイクの前でブルースハープを吹き始める。
1曲目「15の夜」
ブルースハープを吹いて、バンドの伴奏がはいる、いつかとは違ったスタイルだ、尾崎はギターを振り回し、叫ぶ。
サックスが最後の間奏で響く中カウントを始めると同時に次にはいる
 
2曲目「Driving All Night」以前とはうって変ったこの曲は尾崎をビート感に包み始める、1日でも尾崎の喉はまだ大丈夫だ、3曲目「Bow!」ではマイクスタンドを振り回し、バンドの絡みもバッチリだ。
3曲のロックンロールが終わるとステージの真っ暗になり、観客は少し動揺するなか。
 
照らされたセンターマイクスタンドの前に尾崎が現れる。
「こんばんは・・・ 俺が街で作った曲を聴いてください」
 
4曲目「街の風景」を歌いながら尾崎は16歳の時に描いた過去の「町の風景」を重ねて観客たちに手を伸ばす。
 
5曲目尾崎はこの日「ドーナツショップ」でこんなことを語った。
「ちょうど、街が夏を迎えようとしていた、僕は小さな、小さな店でアルバイトをやっていた。30分間だけ休みをもらって、僕は裏で汚い格好をして路地裏のゴミ置き場の隣にまるでこの自分さえ・・・はたから見れば・・・大きな粗大ゴミに見えるんじゃないかって・・・そんな風に考えながらガードレールのわきにに腰をおろしていた・・・こんな汚い格好をした人間がこの街にどうやって生きていくか・・・いやきっとそんなことを考えるのはコンプレックスをもった・・・自分がどんな生き方をしていくのか・・・随分考えていた・・・そして・・・なぜか・・・そこに座っていると小さな感動があったんだ・・・それは・・・ちょうど、ビルの間にとても綺麗な夕陽が沈んでいくところだったんだ。」
 
と12弦ギターのコードを抑えながら尾崎は語り、曲は始まる。
 
6曲目「ダンスホール
ピアノとフルートのメロディーがいつしか暗かったこの曲のムードを少しは明るくしているようでもある。
 
7曲目「卒業」
尾崎はピアノに座るとこう語りだす
「友達と集まった時に、何も思うなんてことはないのだけど、そいつらが俺と一緒に学校をやめてしまった連中でそいつらがやめるたびに俺が、俺たちが涙を流して、きっとみんなもなにかに終わりを迎えるときにそう、涙を流したことがあるんじゃないかと思うけど、それが悔し涙なのか、希望の涙なのか、今となってはよくわからないのだけど、ただ、日頃、そんな同情しあってみても何もならないのだけど、未だにこの曲を歌うとあいつらの涙が目に浮かんでくるし、きっと誰かが流す涙が報われるようにってこの曲を歌います。」
 
ピアノのイントロの共に拍手が巻き起こり、尾崎は卒業を歌いだす。
 
8曲目「Teenage Blue」
ブルージーなメロディーとシンセサイザーの音がよりその音色を立てて豊かにしていく。
 
9曲目「米軍キャンプ」になると尾崎は12弦ギターをかき鳴らしてシャウトする、昨日と同じようにギターは切れてしまった、やはり優しく弾くことには無縁のようだ。
 
10曲目「坂の下に見えたあの街へ」では楽しそうにステップを踏み、ステージを歩き廻る。
11曲目「Scrap Alley」、「存在」と間髪いれずに曲は始まっていく、邪魔になったギターをローディーに渡し、マイクを持ってステージを右に左と走り回る。
 
12曲目「ハイスクールRock`n`Roll」になれば、尾崎はマイクスタンドを振り回して、観客をメンバーと共に煽る。
「Scrambling Rock`n`Roll」では服を脱いでシャツ1枚となる。
 
14曲目「十七歳の地図
尾崎は観客たちを煽りながら、十七歳の地図を熱唱する、この観衆たちのほとんどは十代であろう、尾崎より年齢が下の人々が目立つ。
 
15曲目「愛の消えた街」で一度ファーストステージは終わる。
袖に消えていった尾崎は煙草に火をつけて、少し一息いれる・・・・客席からはアンコールを望む尾崎コールが途絶えることはない、タオルで汗を拭いてシャツを換えた後、メンバーが先にステージへと出て行く。
 
16曲目「Freeze Moon」
メンバー紹介を行い、尾崎は叫ぶ、この日、この夜をこうして出会い、わかちあえたことを尾崎は喜び、頭を下げる、それに熱狂するオーディエンスは少しずつ、最前列で抑えているスタッフを押しのけて、ステージへと近づいていく。
 
17曲目最後のアンコールに応えた尾崎は12弦ギターで「シェリー」を熱唱する。
ファンも一緒に歌っている、この夜小さな千葉の会館に集まった、彼のファンは1200人というとこであろうか・・
ツアー2日目を無事に終えた尾崎はファンへ深々と頭を下げ去っていく。
 
楽屋ではまた一息いれている尾崎の姿があった。