matagorou’s blog 尾崎豊 自由に生きられるかそして感動を得られるか

Yahoo!ブログからお引越し完了です。matagorou もしくは17isamuです。よろしくお願いします。

茨城県民文化センター

イメージ 1

1987年 7月1日 茨城県民文化センター

18時40分を過ぎた頃に尾崎はステージ袖に立っていた。
新曲のイントロが流れる
1曲目「LIFE」


手拍子は静まり返るとローディーからエレキギターを受け取ってカウントをとる。
1,234!

2曲目に「DRIVING ALL NIGHT」のイントロが流れ出すと客席は水を得たような魚のように躍りだした。
鋭く自己主張の強いドラムの音が響きながらよりサウンドはロックンロールを意識した低音に変わっている。
ギターを抱きかかえて歌ったり、肩に持ち上げたりとその姿はより過激さを増している。

曲終盤尾崎は観客へ叫ぶ

「みんな元気だったかい!?」
その一言だけで観客は再び沸き返り尾崎も笑顔を見せる。
ギターをローディーに返すと
3曲目「BOW!」
搾り出すような声でを歌い終えると、青い12弦ギターを受け取って軽く挨拶をするとすぐさま尾崎は歌い出す。

4曲目「街角の風の中」
力いっぱい12弦ギターをかき鳴らすその姿にはどこかに懐かしさを感じながらも尾崎は終始笑顔であった。

ピアノの上に置いてあるタンバリンを取ると足でカウントをとって曲が始まる。

5曲目「失くした2/1」続いて7曲目の誰かのクラクション」と続く。

水分補給をするとピアノのイントロが既に始まっていた。
7曲目「FORGET-ME-NOT」
赤い照明が尾崎を照らし、客席には汗だらけの尾崎が見えた。
8曲目「ILOVEYOU」では客席からの拍手喝采であり、尾崎のステージであることを観客に再認識させることになった。

曲が終ると照明が消えて長い沈黙が続く中観客達の尾崎を呼ぶ声は止まずにいる。

マイクスタンドに立つと同時に白い照明が尾崎へと降り注ぐと尾崎はかすかな声で喋り出す。
「こんばんは」
「一年半休んでて、NYへ行って別にNYだからどうのこうのって事じゃないんだけど、
その間に色んな事を考えたりもう一度何かにけじめをつけたくてずっと考えていた。

初めはまるで中学生に戻ったような気分になりそのうちに社会の事を考えるようになり、イデオロギーだとかそれからたった小さな人の感情だとか、そんな物にこだわり初めて弱気になったり人を信じられなくなったり、何も喋れなくなったり、それでも何か一つでもこの休みの間に伝える物があったらと必死に探していた、空回りになったり、臆病なったりしていた。

本当に今日はみんなようこそ、実は俺も随分歳をくっちまった。もう21になっちまったんだ、今年でもう22、今のうちにロックンロールしておかなくちゃいけない連中もたくさんいると思っている。

俺はいつまでもロックンロールし続けていく。
セブンティーンズマップ!」
曲名を叫びカウントをすると始まる彼の曲が始まる。

9曲目「十七歳の地図
十七歳の地図」を終えると、カウントを入れてジャケットを脱ぐ
10曲目「路上のルール」
はいつくばって歌い続けると間髪入れずに12曲目の「存在」が始まる。

長い間奏が続く中、ピアノから飛び降りたり客席に飛び込んだりと相変わらずのステージングをこなしながらも尾崎の息はあがりっぱなしであった。

「存在」を終えると、シンセとベースがビートとリズムを刻みながら尾崎をマイクスタンドを抱えながら話し出す。

「俺がNYにいったときの話を聞いてくれるかい?、マクドナルドでハンバーガーを食っていると小学生くらいのやつらが俺を見るなりこう言った、Don`t touch me Rock`n`Roll
その時俺は一生ロックするしかねえと思ったよ

みんなついてくるかい?

Come on Saxphone! 1,2,3,4,!

みんな俺が作ったハイスクールロックンロールっていう曲を知ってるかい?
みんな用意はいいか?

1!
2!
3!
お前らそんな小さな声じゃNYには行けないぞ!

3!!
12曲目「ハイスクールRock`n`Roll」
小さなステージで歌い続けると尾崎は間奏のところでマイクを客席に向ける

ロックンロール、踊ろうよ
ロックンロール、腐ら~ずに
ロックンロール、手を伸ばせば自由はあと少しさ

ピアノソロから間奏にはギターソロを交えながら尾崎はステージを右往左往するが、酸欠状態になりながらも走る続けるとステージで少し嘔吐した。

最後のサックスとの絡みをなんとか終えながらも尾崎は生きている。
13曲目の「Scrambling Rock`n`Roll」の前奏はすぐに始められながらも尾崎はカウントをするとすぐに曲は始まる。

自由になりたくない!

彼の叫び続けるフレーズが客席に響き渡る。
曲を終えると、ピアノソロが響き渡るその中から
‘何か話をしよう‘
そんなフレーズが聞こえてきた。
15曲目「核CORE」
十代初期の頃から歌ってきた曲を再び彼は歌い始めた。

絶望に近い叫び方
‘抱きしめて、愛してる‘

絶叫に近いステージを終えるとラストナンバーに「街路樹」がかかる。

尾崎は舞台袖に引き上げた。
すぐさま、客席からは尾崎コールだ。

彼をステージに引き戻す声は鳴り止まない。
尾崎コールが続く中、ドラムスの伊藤氏が出てくるとドラムのビートが会場を包むと同時に手拍子と重なっていく。

何分かが過ぎた頃に、尾崎が颯爽と登場し
「それじゃあもういっちょロックンロールいくぜ、1,234!」
15曲目「紙切れとバイブル」
よりロックさを増した、新曲に観客はノリながら叫ぶ。
曲が終ると同時に17曲目「Freeze Moon」の前奏がはいり、観客のボルテージはまた増していく。

「俺なりに必死に探し続けてきた物があったその何かひとかけらが今夜こうして集まってくれる。」
みんなのためになればとそう願ってきた時にはみんなのその僕の名前を叫んでくれる。」

その叫び声を思い出したりそんなものを励みにしてこうやって何かに脅えながらも俺は走り続けていくしかないとそう思っている今夜こうして集まってくれてどうもありがとう」

「オン キーパー 勝又隆一 ベイビーーーッ!」
「オン ギター 江口正祥ベイビーーーッ!」

「フロム!! サックス フロム!! 阿部剛ベイビーーッ!」

「オン ドラムス 伊藤真視 ベイビーーーッ」

「オン パーカッション・・・・・・.西尾純之介・・ジュンチャンベイビーーーッ!」

「オン ベース 入江直之・・・・タロウチャンベイビーーッ!」

「オン ギター 甲斐完二 ベイビーーーッ!」

「オン ピアノ&プロセッサー 樫原伸彦ベイビーーーッ!」

「俺達ハートオブクラクション!!」

1年半も休んでいたのに、こんなに集まってくれたことに本当に感謝します。どうもありがとう・・・
みんなをまだ俺の仲間、クラクションって呼んでいいかい?

そう言ってからバンドの演奏はフィナーレを迎えると尾崎はステージに倒れた。
サックスがFreeze Moonの前奏を吹き始めるとバンドメンバーがセンターに集まってきて尾崎を抱えて、皆で叫び出す。

Shalalalu La-lu La Da-du Da-du, Shalalalu La-lu La Da Da Da
Shalalalu La-lu La Da-du Da-du, Shalalalu La-lu La Da Da Da

Oh Oh-oh Oh-oh-oh Oh-oh
Oh Oh-oh Oh-oh-oh Oh-oh

夜の街も テレビの街も
俺たちにとってはどうでもいいことなんだ
風が吹くたび 俺達は煙草をふかし
最後の一本を吸い終えると 帰る金にすら足りなくなっちまう
いったいなにができる

なあみんな夢はあるかい?
夢を追い続けていくことができるかい?
決して…決して自分に負けたりしないかい?
うまく言うことなんてできやしない
ただ、今夜こうして夢見たみたいに
今夜こうして夢見たみたいに 俺は生きてゆきたい
だからもっと速く
もっともっと輝くまで
もっともっと…もっともっと輝くまで
俺達は 走り続けてゆかなければ…

Bye, Bye, Bye!
See You...

再び尾崎コールが起こると尾崎はすぐに袖から出てきて用意されているグランドピアノに座る。

18曲目「卒業」

ピアノのイントロから観客達には再び熱が戻っていた。
この曲と尾崎の再登場によりものであることには違いがない。

曲を合唱しながら、彼らは一緒に「卒業!」と叫ぶ。
照明が真っ暗になると尾崎はギターを抱えて前奏を弾きだす。

ライブを締めるのはやはり「シェリー」だった
19曲目「シェリー」

シェリーを歌い終えると

「今日は本当にどうもありがとう」
そう言うと、尾崎はステージから去った。

1986年、1月1日博多以来のステージとの空白は600日に近いものであった。
彼はこの日からまた旅に出た、自分を待つ人に会いにいくために。