matagorou’s blog 尾崎豊 自由に生きられるかそして感動を得られるか

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高知県民会館グリーンホール

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1985年 6月25日 高知県民会館グリーンホール
 
高知城と県庁がすぐそばにある、この会館に尾崎はきた。
 
観客の拍手に迎えられた尾崎はブルースハープ片手にライトの照らされたスタンドマイクの前へと歩を進め、
鋭く弾き鳴らしたハープの音色はさきほどまで沸き起こっていた歓声を消し去り、客は尾崎の空間へと引き込まれていく、
 
1曲目は「15の夜」で、徐々に雰囲気を盛り上げていき、間奏のサックスと同時にカウントを出し、「Driing All Night」へとうつり、間奏で尾崎はマイクをスタンドから外して、床にたたきつけた、いつもより荒れたステージさが目立つ。
 
「Bow!」打たれても立ち上がるようなボーカリングで歌い終わって、から「街の風景」では追い求めるように歌い
ダンスホールでは淡々とした調子で歌い、ピアノの前に座った尾崎は白色の蛍光灯で後方から照らされたシルエットになる「卒業」を歌い上げる。
 
「Teenage Blue」ではブルージームードをかもし出し、「米軍キャンプ」ではストロークが強すぎて12弦ギターのチューニングがメチャクチャになっても弾き続けた。
「坂の下に見えたあの街に」ではステージを動き回って喉が渇いたようで紙コップをあおってみたが空だったようで、紙コップを乱暴に投げ出した。
 
「Scrap Alley」と続き「存在」ではマイクスタンドを振り回して、マイクを床に投げつけ、彼は手放しで歌って合唱を誘う形になった。
 
彼は叫ぶ
「みんな、ロックンロールはできるか、みんな前来い!、こんなことをするとお前らと会うのはこれが最後になるかもしれないけど、かまいやしねえ!
 
「俺に近づけ、ハイスクールロックンロールって知ってるかい?」
 
ここに観客と尾崎は共犯ともいうべき関係を結ぶに至るが、群集は観客席を押しのけてステージの前に押し寄せる、何回も床に叩きつけたマイクは壊れ、マイクスタンドは曲がってしまった、勢い天ってステージから飛び出した尾崎をスタッフと観客が奪い合う構図となる。
 
曲が終ると尾崎はスタッフに抱えられ袖へと運ばれていった、観客達の尾崎を出せという怒号の中、もう1曲だけ演奏するというアナウンスが流れ自分の席で待つように告げられ、興奮と緊張の渦に包まれた会場は整理がつかずにいた。
 
15分後、メンバーが先にステージへと姿を現し尾崎が続いてステージへ現れ、無言のままギターを手にし奏でた曲は「シェリー」、観客はそっと合唱しステージは無事終了とも見えたが、ここで尾崎はもう1曲とスタッフに人差し指を立ててみせた。
 
スクランブリングロックンロール!」
 
と彼は言ったが、演奏された曲は「十七歳の地図」イタズラに成功したような子供みたいな顔つきになったという。
歌い終わりにステージを去らなければならず、口惜しそうな顔に変わり
 
「どうもありがとう」
 
と短く言って両手を振り、去り際に小さく投げキッスを観客に送った。