順次録音がされていくなか、次に録音されることになった曲は「Driving All Night」
この曲は1月のツアー中盤に初めて演奏され、順次演奏される定番曲の一つになった。
コンサートを盛り上げるための、ロックナンバーとして、後年の尾崎のステージでも不動の地位を確立する曲である。
曲の詩の世界に目を向けてみると、連想つく用語は「自己破壊」ではないだろうかと思わせる箇所がいくつかある。
「アクセル踏み込む」
「スピードに目をやられ、退屈が見えなくなるまで」
まさに数秒先にある死へと近づいていくような、いつ車はクラッシュしてもおかしくないような情景を思い浮かばせる。
スピードを出して思いっきり走ることに良い事なんてないはずで、自分の背中に死神が寄ってきてもっとスピードをあげるように、施しているようにも思う。
いざぶつかってしまえば、自分はさっきまでの形とは違ってて、粉々になるか、肉片になってるかもしれない、でもいいじゃないか、
「今夜俺だれのために生きてるわけじゃないだろ」
思い切って、自分らしく、自分の思うように生きてやる、
外に対する敵意みたいなものを歌っているのではないかと筆者はこの好きな曲へそんな思いがある。