1985年10月18日 渋谷公会堂
尾崎の事務所の先輩でもあり、この物語にも度々登場するバンドHOUND・DOG
彼らは尾崎が大阪球場公演を行った8月25日に7枚目のオリジナルアルバム「Spirits!」とシングル「ff」を発売。
9月15日に4月から始まったツアー「TYPHOON PATY TOUR1985」が終了したが、休む間もなく、新アルバム「Spirits!」をテーマにしたコンサートツアー、「SPIRITS! LIVE TOUR」が10月14日渋谷公会堂5Daysから始まり、尾崎もこの連日公演を見に最終日である18日にでかけた。
シングル「ff」の大ヒットにより5日間超満員となったが、尾崎はこの時のハウンド・ドッグのステージについては多くの言葉を残している。
「すごく、心のこもった、ステージで羨ましいっていうか、大友さんの良さが最高に出ていて、
心からハウンド・ドッグっていいなあって、すごくインスパイアされたんだ、初めて見る人には楽しいコンサートかもしれないし、分かってる人には、大友さんの生き様もわかるし、
それに、抱包力みたいなのをすごく、見せてくれたから、だからすごいなあって、彼らを見に来る人は、そういうのを求めるし、僕もそういう姿を求めてるし、なんかね、自分自身の悩んでる姿を押しつけるだけじゃダメだと思ったんです」
と語る。
余談ながら、ハウンド・ドッグはこの1985年の10月頃というのは多くの苦難を乗り越えた頃と言っても過言ではなかった。
ここから彼らは今までこなしてきた圧倒的なコンサートの数をさらに増やして、武道館や球場コンサートを多く成功させていくに至るが、それはまた後の話でもある。
インスパイアされたという尾崎はどうであろう、19歳で大阪球場をこなしてみたもの、その後に待っていた新しいアルバム作りは難航して、時間との戦いだ、10日程後には全国ツアー開始が迫っている。
そしてまた尾崎はスタジオへと戻っていく。
ハウンド・ドッグはまたツアーへと全国への旅を続ける、彼らが再会するのは少し先の話になる。