1986年 5月12日
尾崎は仲間達と遊んだ夜の数日後、香港へと向かった。
当時の香港はまだ英国から中国に返還される前でまだ英国領であった。
尾崎は、路上などに並べられた豚の肉が塊などを見て、香港での混沌とした生活者たちに圧倒されたと述べている。
このことに関しては尾崎は幼少期に秋葉原まで家出をした時の秋葉原の風景を香港で思い出したという。
少しだけであるが香港について述べた彼の言葉を書き出してみる。
「ぼくは二十歳のときに初めて香港に行ったんですけど、そのときに秋葉原の情景とすごくよく似てたって今さらながら思う。
香港の食べ物屋さんの前に腸だけ取り出した豚が三匹、並べてあった。それを見たときに閃いたのは、秋葉原でいくつもの段ボールの積まれたものがボンボンボンボーン!と店の前に置いてあった光景でした。
人間が電気製品を食べるわけじゃないけど、
次から次へとそういったことが繰り返されていく目まぐるしさを感じた。恐いっていうか、とめどもないという。ついていけるかなと思った。」
と言っている。