1986年 7月中旬
須藤氏へ中に入ると散らかった部屋を見て、少し驚いた。
アンプに繋がれたギターとエフェクター、空になった酒瓶にぐしゃぐしゃになってる新聞紙。
日本から持ち込んだ物と街で手に入るものが交わって彼の暮らす生活空間に散らばっていた。
積まれている大学ノートと譜面、その隣にはチューナーもおかれている。
尾崎は須藤氏がくると
「適当にくつろいでくれ」
と言うとシャワーを浴びに行ってしまった。
須藤氏はその間に座る場所を作るために部屋の片付けを始めたたが、NYにきてまできて掃除をしている話もおかしくはあるが、部屋を片付け終わっても尾崎は浴室から帰ってこなかったという。