1987年 2月3日
レコーディングは続く。
デモテープから聞こえてくるメロディーを譜面に起こして、ベーシックトラックを作る。
仮の歌入れをしながら、詩がない部分は
歌えずにラララと過ごしてみる。
尾崎は少し笑いながら、詩がないことに悩んでもいた。
楽曲のアレンジャーには樫原伸彦が今回から起用されている。
尾崎と樫原氏はスタジオで終始一緒にいたという。
アレンジはピアノを中心に構成しながらやっと、1曲が仕上がるという形になってきた。
尾崎はギターを弾きながら、詩のない部分で口笛を吹いて過ごしていた。
セッションを行っていくうちに出来上がってきた曲のメロディーはどこか
「河川敷に横たわって聞いてもいいね」
なんてそんな声をスタッフからも聞けた。
生ピアノの音がセッションでも中核として扱われていくと、1曲程度の長さになってきた。
詩はまだないけど、音を出すことから始まったレコーディングは少しずつ前に進んでいる。