matagorou’s blog 尾崎豊 自由に生きられるかそして感動を得られるか

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3月

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1987年 3月1日 NY

3月になってもコニーアイランドでの撮影が続く。
移動を行ったり、街を歩いたりする際に尾崎は少し懐かしげに話をする。

「そいえば、セントラルパークでマラソンをしたんですよ」

と尾崎は話し出す。
「半ズボンで走ってたら、変な目で見られちゃってね」と笑いながら話を続ける。

「日本の小学生って半ズボンで走るのが健康的だと思ったのだけどこっちのNYの人ってけっこうファッショナブルなんだよね」

と語る。

それは彼にとってはつい最近の話であったはずなのになぜか遠い昔のことを話しているようにも感じられる話であった。

尾崎がNYで暮らしていた時は‘一番寂しかった‘と後年語るように期待をこめて日本を飛び立ったはずであったのに現実は少し違っていて彼に与えたものは苦しみであったということになる。

人は快楽に勝てないように苦痛や苦しみにも勝てない。
どん底を味わった20歳は21歳となって87年の日本に帰ってきて再び音楽活動を始めた。

87年は始まったばかり尾崎も新しく始まったばかりであったと言える。