1988年 8月
マザーをやめたいという思いは尾崎としては最早取り下げることはできない思いであったのであろう。
しかし次の仕事・・彼にとっての最後の仕事が決まっているからには、逃げることができないそれが業界で生きる人間の最低限のルールとでも考えるべきなのか・・
昨年のツアーキャンセルに加えてここでライブの中止が決まってしまえば尾崎豊というミュージシャンの信用問題に関わるからである。
これからの再起も難しくなってしまう。
錯綜する重い気持ちを抱えながらも尾崎は目の前の仕事に取り掛からなければならなかった。