1990年 3月
仕事を抱えて街を歩く。
下世話な広告から飛び出してきたような日常への憧れが、街中に散乱している。
何を気取っているんだい。
生きてゆくために必要なものの何を持っているというんだい。
マスコミは人の心をもてあそぶようなことを報道して喜び、本当に目を向けなければならないものからは目をそらせている。
そんな無責任な大人達によって作られてきたこの社会に僕は首をかしげてしまう。
思い返せば僕達は大人に従ったり、反発しながら生きてきた。そして僕ももう大人になったんだよ。
もう責任逃れする大人を許せないじゃないか。
子供を騙して金を儲けてるだけの大人達を。
でもまだ答えは出されてはいない。僕は明日を信じたい。
だから、ハニー、美味しいクッキーを焼いておくれ。美味しいミルクを飲ませておくれ。愛しているから、たったそれだけでいいんだよ。
君を愛しているから。