matagorou’s blog 尾崎豊 自由に生きられるかそして感動を得られるか

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米軍キャンプのこと2

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完成には最もこの十代の中でも時間がかかっている曲ではないだろうかと筆者は思う。
この曲がいつ演奏され始めたのか、はっきりしたことはわからないがTOGツアー開始前には尾崎の演奏曲目の中に出てくるところを見ると、弾き語り形式でのテスト的な演奏はツアーでされており、その代表格のひとつが大阪球場であったようにも思える。

しかし大阪球場で1曲目にこの「米軍キャンプ」を選択し、2万人を越える観衆をこの1曲で引っ張ったことは以前述べた。

前の記事で書いたように「ダンスホール」、「シェリー」などと比較して考えればこの2曲がもっているセンチメンタリズムや叙情性のようなものはまったく欠いた曲となっている。

むしろ曲で描けるようなイメージの世界ではなく生身を切り刻まれるような痛々しさとそこに歌われている尾崎の友人である女性の姿に尾崎が自己投影を行って完成と局へと至って昇華されたのではないだろうかと思う。

その投影されているものは「命」ということと「労働」ではないだろうかと筆者は思う。
「労働」つまり夜の街で働いている彼女のことであるが、その彼女にいとおしみ、いたわりという気持ちがあったと考えることは間違いないであろうと思う。