matagorou’s blog 尾崎豊 自由に生きられるかそして感動を得られるか

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鳥取市民会館

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1985年 11月21日 鳥取市民会館

キャパシティは1000人にも満たない小さなホールに尾崎はきていた。
中国地方でのツアーも終わりが見えて、コンディションを尾崎は整えてはいるがツアーは日に日に行うコンサートのせいか疲れがとれなければ、心身休まる日も少なかったかもしれない。

この鳥取では少しアクシデントがあった。
このツアーでは「15の夜」の前に語られるMCがある、例のドラッグで亡くなった後輩の話だ。

「最近、俺はこんな事を考えている。もう大分前の事になるけれど、このツアーが始まる少し前に毎晩一緒に戯れていた仲間のうちの一人がドラッグで死んでしまった。
道を歩いてる途中で鼻から脳みそを垂れ流して突然死んだ。その頃から、なんだか俺は、仲間っていうものを意識し始めるようになった。

そいつは2コ下の後輩で、いつも俺の顔を見ては

「尾崎さーん、今度コンサート行きますから」

なんて、最後の日もそう言って・・・毎晩のように一緒に居るっていうのに、そいつの叫びを誰も聞いてやる事が出来なかった。
仲間っていうものを意識し始めてから、イマまでの自分っていうのがなんだかとっても、やらしい人間に思えてならなかった。

自分に解るものだけを取り入れ、解らないものは否定し。
それから俺達は、そいつを弔うように毎晩のように喧嘩に明け暮れた。

誰が強いというわけでもないけれど、必死で自分の弱さと戦っているように思えてならなかった。
人を愛する事が、そんな生半可な事じゃ出来ないと・・・

というものである。

この友人の話をしている際に客席から笑い声が起こり、尾崎は腹を立てて袖へと引っ込んでしまったが、
客席からの尾崎コールが高まる中再登場。
叱った女の子達に気づかいを見せ、自分の顔を殴る。そして言う。


「その子の痛みは俺の痛みだ」

メンバーもスタッフも客も毎回目隠しをして綱を渡るような、何が起こるかわからないそんなツアーを続けている。