ワンフロアー全部で大騒ぎ、あちらこちらから声が聞こえてくる、部屋から部屋へ人は入り乱れてなにがどうなっているのかというのが実情であった。
そんな騒ぎのなかでもギタリストの鴇田氏は自分の部屋にいた。
当然部屋の扉は開きっぱなしであったが、入ってきたのはピアノの樫原氏で
「ときちゃん・・・・」
「なに？」
「俺のベッドにさあーーー・・・・」
「えっ？ベッドがどうかしたの？」
「俺のベッドにさあーーー・・、知らない子が・・・・・・、寝てるの。」
と言うので確認しにいくと、確かに誰かが寝ている。
それもこれまで長くツアーをまわってきた鴇田氏であっても知らない人間であった。
どうしようか考えていると樫原氏はひらめく
「そうだ！いまのうちに、他の空いてる部屋で寝ようーーっと。」
と言うと部屋を飛び出していったが、鴇田氏の回想にもあるが、この夜ベットは足りたのであろうか
