1987年 5月
話はレコーディングに戻る。
「なにか話をしよう、なんだかわからないけど」
こんなフレーズで始まる曲があった。
最初は「クッキー」という仮題であった、後に「反核」という名前で十代初期のライブで演奏されたがいつしかからかこの曲は彼らに忘れられて、時が流れた。
尾崎にとっては温めてきた作品でもある。
詞をいくつか書き直してアレンジャーに樫原信彦を迎え新しいアルバムに加える曲として完成したのが「核 CORE」となる。
しかし前の「反核」変わっていないのは長さとその重いテーマであった。
反戦と反核を叫びつつもその詞の情景には男女の愛についてのことが多い。
早速始まったレコーディングでもこの曲はすぐに歌われた。
「街路樹」に続く完成した曲でもあった。
余談ながら「核」にはこの時期には珍しく英題がついている。
「この詩には、反核とは別に人の心の殻の奥深く、母胎内に残した感情、そんなものをイメージした詩なんだ」『心の中の孤独』
『核の恐怖を感じ続ける世界』を紡いだ詩でCORE(核心の意味)という英題になった。。
と尾崎は語っている。