1987年 7月
ツアーの合間にスタジオに出かけては、ものつくりに励む尾崎。
これまでツアーの合間にレコーディングは行っても、曲自体は完成に近く手直しをするような手軽さで歌入れを行ってきていた。
しかし今となってはイチから作っている最中でもある。
曲はできても詩が書けないでいたことは以前からも触れている。
1曲の時間は長いもので「核」を例にすれば、10分近い。
余談ながら「核」のような長い曲をシングルカットすること自体が当時の感覚からしても、にわかには信じがたいものであるが、この時期の尾崎のイメージを伝えるためには彼自身も最適だと思ったのであろう。
リアルタイムの自分を伝えるためには形として残るレコード以外には方法もないものであったのかもしれない。
ツアーで演奏する曲も、アレンジがされて練習をする。
「ISM」などはまだライブではやっていないがまだ練習不足であった。
ツアーの後半からやれれば・・・
というような希望観測があったのかもしれない。
当面のアンコールは「紙切れとバイブル」に託された。