1988年 7月
「NYに行ってた時、向こうのミュージシャンとかと会ったの?」
「レゲエの人は何人か会いましたけど。向こうで見たライブの中で、一番感動したのはねぇ、シュガー・マイノット。
レゲエってもっとゆったりした感じなのかと思ってたんですよ。全然違って、汗だくだくにして「根底はこういうところにレゲエのスピリッツがあるんだな」ってわかった時に、すごい熱いものを感じて、「ウン、いいな」と思いましたね。」
「本とか映画とかは?」
「・・・・そうですね、最近はあのー、あまり読んでないんですけど(笑) 映画もあんまり観てないんですけど(笑)映画館、街に出来れば観るんですけどね。」
「街に(笑) どういうとこに住んでるの一体。」
「温泉街みたいなとこです。」
「なかなかいい環境の所に住んでるよね。」
「環境いいですね。やっぱ創作意欲わきますよ。いわゆる昔まだ、読む書物が少なかった時代に生まれたという感じですか(笑)」
「なんか福沢諭吉の世界にいってしまいそうだね。」
「そうですね。人は私を太宰治と呼んでいますが(笑)」
「(笑)ほんとにおこるよ、その人たちが。」
「イヤ、見習いたいですよね。その作品に対するエネルギーの持ってき方っていうか。」
「狂気なまでのエネルギー。」
「そうですね。僕はそれが芸術だと思ってますからね。」