1987年 4月
尾崎が作ったデモテープを聞いてスタッフ達が意見を出合う。
メロディーだけの曲が続いたり、彼が叫ぶような歌もある。
しかし最後に流された、しっかりと詞が入っている曲があり尾崎はその曲を「街路樹」と名付けていた。
アルバムのタイトルすら決まっていないにも関わらずスタッフの多くがこの曲がアルバムの最後のナンバーになる予感がしたという。
「街路樹」の製作でも早い時期に決定したのはこの「街路樹」に関してであろう。
さっそくメンバーを集めてベーシックトラックを作りバンドの音で尾崎は歌入れを始めた。
バンドスタイルで響く「街路樹」はアップテンポでもなければバラーナンバーに近いスローテンポな曲。
しかしここには尾崎がNYで見つめた風景と彼が考えるROCKというものを織り混ぜた結果として生まれたものではないだろうか。
尾崎は納得はしていなかったがこの曲にはまだ広げなければいけない何かが足りないと感じていたのは尾崎だけであったかもしれない。